コミケが消える!? 四つの大罪
『どんな手段を用いてでも本やグッズがほしい』そう考えた瞬間、コミケへの参加資格は失われる。
 
 

 

 
徹夜
コミケ中止危険度★★★★
迷惑度★★★

 禁止事項として最も有名なご存知徹夜。コミケの大規模化とともに肥大した癌部ともいえ、なにが問題といって『努力で事故を防ぐことができない』という一点に尽きる。
 徹夜組は会場周辺のあらゆるすきまにもぐりこんで夜を明かそうとする。中には建物や施設への不法侵入という立派な犯罪におよぶ者もいるが、その正確な人数も居場所も誰も把握していないのだ。
 夜間も警察が巡回してはいるが、現在の東京は決して安全ではなく、また、情けないことに徹夜組同士のトラブルも毎回発生する。
 もしもその中のたった1人が何らかの大きな事故にあえば、コミケは即刻中止になる。コミケという場の中だけでなく一般社会的な問題にもつながるため、他の3つの違反行為に比べてもその危険性は極大なのだ。
 
 

 

 
津波
コミケ中止危険度★★★★
迷惑度★★★

 通称『男津波』と呼ばれる現象を目撃したことがあるだろうか?
 これは主に男性向けジャンルの壁際大手サークル目当ての男性参加者が開場と同時にスタッフの静止も聞かずサークルめがけて雄叫びを上げながら突進するというものだ。
 その間の彼らにはモラルはまったく存在せず、またこの中で転ぼうものなら冗談でなく命に関わる。
 現実に巻き込まれて転んだ女性参加者が踏みつけられ、救急車で病院へ運ばれるという事態も発生している。
 言うまでもないが、これ以上の事態が起こったらコミケは中止だ。
 『津波』は自分勝手な欲求を群集心理で加速するどこまでも無恥な行為だ。
 
 

 

 
フライング
コミケ中止危険度★★
迷惑度★★★★

 近年徹夜に変わる勢いで増えているサークル参加者による開場前からの行列。
 本来販売準備のために一般参加者より先の入場を許されているだけなのに、それを自分が本を買うために利用しようとするのは外で待つ大勢の参加者と、まじめに準備をしている大多数のサークルに対する裏切りであり、コミケのシステムを悪用しているという点で徹夜組よりもはるかに悪質だ。
 さらにサークル入場券の高価での取引やそのためのダミーサークルの増加などにはじまり、徹夜組が自己の行動を正当化する言い訳に使われ、挙げ句フライング組は津波の波頭までつとめるに至って、悪影響は多方面にわたり、まさに数あるコミケの顰蹙・迷惑行為の中でも最悪の部類に入る。
 
 

 

 
ダミー
コミケ中止危険度
迷惑度★★★★

 コミケを中止に追い込む危険度だけを見ればダミーサークルのそれは決して高くはない。  しかし、コミケがこれだけ大きな場となり、参加希望者の抽選を行わざるを得ない状況下でなお大量のダミーサークルが存在するということは、抽選に漏れた熱心なサークルにも、そのジャンルを楽しみに来場する一般参加者にも大きなストレスを与えるだけではなく、ジャンルの空疎化、ひいては『みんなで作るお祭り』としての熱量の低下と『表現の場』としてのコミケの存在意義の低下を一度に招きかねない。数十万人が集まるイベントでは、参加者全体の雰囲気が良くない方向にかたむくだけで、さまざまなトラブルが発生しやすくなる。地味ではあるが長期的な視点で見ればコミケという構造の屋台骨さえ危うくしかねない問題なのだ。
 
 

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